Ubuntu 24.04 LTSとPX-Q1UDの相性問題を解決

Ubuntu 24.04 LTSとPX-Q1UDの相性問題を解決

2025年 7月 14日

PLEX製チューナのPX-Q1UDとUbuntu 24.04 LTSの相性問題を対処療法的に解決したので共有

Caution

本記事には誤りが含まれている可能性あります。
本記事で扱う内容は上級者向けであり、システムを破壊する恐れのある行為です。
筆者は本記事によって生じた、いかなる損害についても補償をしません。

課題

Ubuntu24.04 LTSとPX-Q1UDを使って録画サーバを運用しているが、下記問題に悩まされていた。

  • Dropが極めて多く、視聴に堪えない。
  • kernelから莫大なエラーが出力され、/var/log/が数十GBになる。

どうやら、この問題はLinux kernel 6.8系以降で発生するようで、それ以前のkernelを採用しているUbuntu 22.04 LTSで運用するという記事がちらほら存在、、、

しかし、Ubuntu 22.04 LTSは2027年にEOLになるので、より寿命の長いUbuntu 24.04 LTSを採用したかった。

結論

Linux kernelを1行コメントアウトし、Build&Installすると一応治る。

システムの構成

システムの詳細な仕様を下記に示す。
録画系ソフトウェアはすべてdockerを用いて構築した。
各種ソフトウェアの開発者様には、この場を借りて感謝を申し上げたい。

項目 仕様
CPU Intel N100
RAM DDR4 16GB
OS Ubuntu Server 24.04.3 LTS
チューナ PLEX PX-Q1UD
録画サーバAPI Mirakurun 4.0.0-beta.18
録画ソフトウェア EPGStation v2.10.0
リアルタイム視聴ソフトウェア KonomiTV v0.12.0

原因

kernelに含まれる標準ドライバ"smsdvb"のデバッグ用関数が不正な値をkernelに渡しているっぽい?

対処法

対処療法的ではあるが、Linux kernelを書き換えてデバッグ機能を無効化する。

drivers/media/common/siano/smsdvb-debugfs.cの374行目付近

drivers/media/common/siano/smsdvb-debugfs.c
//client->prt_isdb_stats_ex = smsdvb_print_isdb_stats_ex;

をコメントアウト

Ubuntu 24.04 LTSのkernelのビルドおよび書き換え方法等は下記URLを参考にした。
https://ichino-memo.com/ubuntu24l_kernel_build/

筆者の環境では、これでカーネルエラーが解消されただけでなく、映像のDropも顕著に減少した。
うれしい。

最終更新日